小野浦同様に、知多半島の山海海岸も陶片の多い海岸です。そんな山海海岸ですが、見かける陶片のタイプが微妙に異なります。
小野浦に比べ、山海の方が庶民的な陶片が多いのです。小野浦には、古くからの旅館などがあり、そのあたりも関係してくると思いますが、驚くほど上手な焼き物の陶片があるのに対して、山海ではすり鉢が多いのです。
さて、このすり鉢の陶片からも、大凡の年代が分かってきますよ。すり鉢の擂り目がその目安になっており、時代が古いほど擂り目が粗く、新しいほど細かくなっています。今のすり鉢の擂り目と同様なものは明治時代頃からのようです。
そんなわけで、左の陶片は明治以降、そして右は江戸後期か、それよりも古いものでしょう。そして右の陶片には、擂り目が磨耗ほどするほど使われたのが分かりますね。
そそのかされて・・・