3月20日、名古屋国際センターにて、愛知県自然観察指導員連絡協議会の総会がありました。その記念講演に呼ばれたのが、漂着物学会会長・中西弘樹先生でした。中西先生は愛知の出身なので、里帰り講演とも言えるもの、演題は「漂着物の観察から自然科学へ」と言うものでした。
黒潮を中心とした海流の話から始まって、その調査には漂着物が使われた話、そしてルリガイなど浮遊性の海洋生物の生態へと話は発展しました。そしてやはり一番興味深かったのは、ご専門の海流散布植物の話でした。地球温暖化による海流散布植物の分布が北上していることや、江戸時代の本草図譜で描かれた漂着植物種子などを詳しく話されました。下の図は、中西先生の講演PPTの複写です。
そして、まとめにはビーチコーミングを教材として取り入れる方法などを熱く語られ、教育の中での海離れを嘆いておられました。中西先生は、地元・愛知教育大学のご出身で、その後は広島大学で学ばれました。学生時代にはテントを担いでフィールドワークを行い、自然の中で目が覚めた時の爽快さを何度も語られていたのが印象的でした。
会場の一角には、今回の講演会を教えていただいた知多半島にお住まいのNさんらが拾われた愛知県に漂着した南方種子なども展示してあり、みなさんが興味深げに手に取ってみえました。
中西先生、ステキなお話をありがとうございました。また秋に対馬でお会いしたいですね。
ビチコ飯