浜雷に見舞われた後の浜は、大量の雨の影響がいたるところで見られました。渥美半島表浜では海岸の多くが海食崖になっています。田原市と豊橋市との境界あたりはおよそ50mほどの高さがあり、これが西へ進むにつれて低くなり、堀切あたりでは無くなっています。
この崖の地層には、2万年~60万年前あたりに、火山灰や土砂が堆積した渥美層群と呼ばれる地層からなっています。崖の上にはハマヒサカキ、ヤブニッケイ、モチノキ、シロダモといった常緑樹が繁茂して、「崖森」と呼ばれる森林を作っています。けれども,耕地の拡大や開発などによって崖森が狭められ、急な大雨が降ったりすると、保水力が飽和状態となり、谷あいには畑などから表土が一気に流れ込みます。
写真を撮影した場所では、80mほど砂浜の幅があり、ラネルによる凹みがあったために、畑の赤土が海に注ぎ込むことはありませんでしたが、狭い浜ならこうはいかなかったでしょう。
ビーチコーミング、砂浜に打ち上げられるものばかりではなく、海岸ができた過程や、海岸が抱える現状にも目を向けると、イロイロ見えてきますよ。