みなさんは農家が肥料として海藻を畑に入れることをご存知でしょうか?これには様々な方法があり、作物によっては向き不向きがありますが、明治時代など化学肥料が普及する前は広く行われていたようです。春にも海藻が漂着する時期がありますが、秋にもあります。
美浜町の坂尻では、晩秋にホンダワラ類がたくさん漂着することがあります。打ち上げられたばかりは茶色っぽい色ですが、乾くと黒っぽくなります。このまま朽ち果てるのか?と思っていたら、実はそうではありませんでした。
堤防道路に止めた軽トラから、おじさんがプラ箱を持って降りてきて、せっせと海藻を入れて車に運びます。黄色のプラケース6箱ほど手早く採取したら、おじさんはさっさと去っていきました。
声をかけるチャンスを逃したオレは、浜を散歩していた他のおじいさんに尋ねたところ、「うちでは芋畑に入れる」とのこと。春先の海藻は腐って臭いが、秋に芋を掘った後の畑にすきこむと、美味しいサツマイモができるそうです。塩抜きをするのか?と聞いたところ、畑の脇に置いておき、二日ほど雨に打たせたものを使うそうです。まだまだ、海藻が現役で肥料に使われているのを知り、うれしくなりました。