このブログの読者のみなさんなら、カラスが知恵者ってことに異議を唱える方はいないでしょう。昔・・・カラスを見ていて、「すげぇ!」って思ったのは、雪の斜面で体を使って滑って遊んでいた数羽のカラスを見たときでした。ですから、様々なことにカラスは頭を使って工夫し、まわりの連中も、それを真似できるからなのです。
さて、若狭地方は山と海が直結しているために、冬の浜辺では豊富にクルミの漂着があります。そしてそんな浜辺の堤防には割れて中身をほじられたクルミが、かなり落ちています。これは堤防で誰かがクルミを割って食った証拠です。
そんなクルミをクローズアップすれば、こんな感じです。クルミはオニグルミで、割ることも難しく、また割っても中身をきれいに取り出すのはそう簡単ではありません。ここまでやるのにはよほど器用でないとやれませんね。
実はこれはカラスの仕業なんです。浜辺にいるカラスは漂着したクルミが食えることを覚えました。でも嘴では割れず、クルミを上空から硬い堤防に落とすことで割れることを覚えました。それからカラスはクルミを咥えて上空へ舞い上がり、クルミを落下させて割り、それをほじることを覚えました。
これがその証拠写真です。このハシボソガラスは、落として割れたクルミの片割れが砂地に転がったため、アシの前にあるクルミをほじっていました。これまで、こうした行動は、福井の浜地海水浴場、美浜の松原海岸で観察しており、松原海岸ではこの個体のほかにも2個体が堤防上でクルミ割りをしていました。皆さんの行かれる浜でもこうしたクルミ割り、見ることができますか?