日長崎は日長駅の西に位置し、日長川の河口部に広がっている干潟です。
崎というのは、もともと海中に張り出した洲のことで、知多半島の伊勢湾側では、このほかに常滑の鬼崎、野間の富具崎があります。
ここ日長崎を境にして、北は砂泥が中心となった遠浅の海底で、南は岩礁の多い海底でした。
地図にあるように、名古屋市南部から進められてきた臨海工業地帯の埋め立てが、南4区で一旦とまり、間隔を置いて南5区が出来たために、小さな海が奇跡的に生き残ることができたようです。
かっては打瀬網漁や海苔養殖といった沿岸漁業の栄えていたところでしたが、昭和34年の伊勢湾台風後に起きた臨海工業地帯の計画により、昭和37年漁業補償が行われ、この地域の漁業権は無くなりました。
それでも、まだまだ干潟に広がった海は生きていますので、さまざまな生物が棲んでいます。
春先になれば、気の早い人は潮の引いた日長先の洲にやってきて、アサリ掘りに興じています。大きなモノはなかなかとれませんが、小さな出汁がわりになるモノならありますよ。