今から10年前、1997年1月のこと、思いもよらぬ事件が起きました。
島根沖で座礁したナホトカ号は、油を垂れ流しながら漂流し、福井の三国沖までやってきたのでした。
あの海を見たときは、「この海は死んだ!」と思いました。
重油の臭い、まずこれにノックアウトされ、浜地の砂浜は重油まみれでした。
その後、海の自浄作用と、ボランティアみんなの頑張りもあり、半年後には驚くほど回復した海となりました。でも翌年浜を歩けば、靴は油にまみれドロドロでした。
冬の漂着シーズンが訪れ、海がでんぐり返るころ、固く丸まったオイルボールを目にします。
こうしたオイルボールは砂浜の奥底にまだまだ眠っていて、ポツポツと出てくるようです。今でも、あの日のことを忘れるなよ・・・と、言いたいのかも知れません。