みなさんの普段の生活では分級という言葉は、まず使われないでしょうね。英語ではsortがあてはまり、コンピュータで使うソートは、整列の意味ですね。
漂着物関連での分級化とは、漂着物の形状や比重などによって、海水から受ける抗力によって漂着物が選り分けられることに使います。
分級化には、流体工学で使われる有名なストークスの式やらアレンの式などがありますが、これらの式では球体を基本にしていますので、漂着物にそのまま応用することはできないようです。
さて、この写真は台風マーゴンが通過後の恋路ヶ浜の一部です。すごい満潮汀線の漂着物ですね。流木の茶色と、バカガイ類を中心とした貝殻の白とのコントラストがハッキリしています。
こうした現象を式で表現できたら、とってもスッキリするのですが、オレの能力では無理なので、カンを働かせてみましょう。(笑)
この漂着物が押し寄せたとき、浜辺の砂の移動などからも、西から東に向かった風が優勢だったようです。そして長雨で伊勢湾に注ぎ込んだ多量のアシ・ヨシ、それに流木類は、恋路ヶ浜に打ちあがったようです。そして、台風が長居したために、長時間に及んだうねりは海底を長時間にわたってかき回して普段は海底に沈んでいる貝殻類を巻き上げ、浜辺に打ち上げたのでしょう。
これは浮力や形状が似ているモノを海が分級化して砂浜に漂着させたよい例ですね。
科博@富山市・1