お盆のころ、太平洋上北緯10度あたりで発生した台風15号は、25日に九州へ上陸し大きな被害を残していきました。幸いにも名古屋近辺では被害はなかったようですが、非常に風は強く自転車が倒されたり、軽いモノが飛ばされたりしていました。渥美半島・伊良湖岬のデータによれば25日から26日にかけ10m以上の東風が半日以上もふきあれたそうで、気になったものですから様子を見てきました。
豊橋市伊古部では、東風によってコウボウムギの穂や葉が全て西向きに倒され、その上から飛砂によって砂が重く被りこんな状態になっていました。
見たところ、台風による暴浪によって砂丘が大きく削られることは無かったようですが、砂の影響は大きかったのです。前の暴浪で汀崖ができていたあたりに風による飛砂がたたきつけ、こうした立体彫刻を残して行きました。
風によって飛ばされた砂粒が砂丘の崖に当たり、崖を穿ち砂丘に埋没していた漂着物の周囲を削り込むように彫っていったのでした。
強風が続いたことによる飛砂の影響は渥美半島表浜全体で見ることができました。半島先端に程近い田原市堀切でも砂浜の削られた様子が観察できました。
砂浜に埋もれたライターの周囲も強く風の影響を受けました。このあたりは風によって砂が飛ばされ、ライターの下にあった部分はライターの風防によって残っています。特にここで注目して欲しいのは、ライターを支えている砂の粒子と、周囲の粒子との違いです。渥美半島はかなり細かな石英砂が多く、ここでも支えている部分は砂ですが、周囲にあるのは直径が2mm以上の細礫のようです。砂浜の堆積物のうち軽い砂が飛ばされ、重い礫が周囲に残ってこうした場面を作り出します。
台風によってリセットされた砂浜ですが、見方を替えると面白いモノが見えてくるでしょ~!(笑)