海が荒れると、新鮮な魚介類が流れ着く。
こいつもそのうちの一つ。
でも、わたしはウニが好きではない。まず、針先の尖ったのを凝視していると、たまらなくなる。そして軍艦巻きのウニを旨いと思ったことがないからだ。
でも、こいつは打ち上げられた浜辺で、棘を動かしていた。ちょっと気になって堤防の上に置いてみた。まだ棘をモゾモゾ動かしている。
う〜ん、こいつなら喰えるかも?そこらにあった流木で割ろうとしたが、簡単には割れなかった。漂着して空っぽになったヤツとは違うな・・・と言うのが実感。
何度か試して、やっと割れた。真ん中にはアリストテレスの提灯がある。身の色はバフンウニほど濃くない。卵の黄身くらいのものだ。
ちょっと舐めたがあまい感じ、でもモノ足らない。
海水でゆすぎ、塩味を付け加えたら、余計に甘さがひろがった。弱い酸味も遠くで感じる。喰っていたら、尖った棘のことを忘れていた。弱点の克服方を一つ発見!!
ウニは、こうやって喰うモノだな・・・と思った。・・・機会さえあればね。