江戸時代に生活した人々は、こうした磁器を大切にしてきたようだ。
それは割れた磁器を焼き継ぎして使っていることからも、うかがい知ることができます。
五弁花を見込みに持ち、花唐草の膾皿、まるでフランケンシュタインのような、つぎはぎ皿です。よくぞここまで・・・と思ってしまうが、しっかり見たら、その秘密が分かった。
それは下の写真を見てほしい。
イエローとマゼンタで描いた線が、焼き継ぎの箇所。
最初イエローの線で三つに割れた皿を焼き継ぎした。次にマゼンタの線で四つに割れてしまい、再度の焼き継ぎ・・・その結果、こんな皿になってしまった。
18世紀中頃の膾皿、こんな傷物でなければ、わたしには手が出なかったが、2度も焼き継ぎされ、今まで残っていたのは、完品同様に貴重だと思う。これほどモノを大事にする江戸時代のことが分かるのだからね。